ATOLL IN100SE、人生と音楽を楽しむための弾けるような躍動感を聴け

ATOLL IN100SE

■明るく開放的に鳴るラテン系の味わい

 我が家で毎日、私を和ませてくれているATOLL IN100SEは、音楽を楽しく聴かせるために生まれてきたようなアンプだ。弾けるような躍動感があり、おおらかでイキイキと開放的な鳴り方をする。暖色系で適度な艶と柔らかさがあり、いかにもフランスのアンプらしい明るく朗らかな音色だ。

 ナチュラルなテイストで生楽器の再生も得意だが、ソースを選ばずたいていの音楽にフィットする。特にロックやR&B、ジャズなどの力強いソースがハマるファンキーなアンプである。

 オーディオ機器には国民性や地域性が表れる。例えば今まで試聴したアンプの中で、いちばんATOLLに音が近いのは同じフランスのYBA PASSION 300 INTEGREだ。いや「近い」というより、とても似ている。線が太く、芳醇なワインのように甘い色気を漂わせているところまでそっくりだ。

 またYBAと同様、ATOLLには、鳴らしにくいといわれる我が家のDYNAUDIOを朗々と歌わせる駆動力がある。しかも抑制的にではなく、音楽の持つエネルギーを解き放つ方向で鳴らしてくれる。デジタルアンプのようにストイックな制動力をウリにするタイプとは好対照だ。

 聴いているうち、ふと気づくと無意識のうちにカラダでリズムを取っていた――そんな音楽のポジティブな本質に気づかせてくれる楽しいアンプである。

■ 「スピーカーを消す」 空間表現にも注目だ

 我が家のIN100SEはDYNAUDIO Audience 42とほぼ同時に買ったが、試聴には1年以上もかけた。予算30万前後までで数十機種のアンプを聴いたが、解像度やトランジェント、スピードといったスペック・マニアが喜びそうな要素を満たすアンプならいくらでもあるのだ。だが肝心の音楽を聴くのが楽しくなるという本質的なアンプがなかなかない。

 しかもDYNAUDIOを駆動できるのが絶対条件だから、候補はおのずと限られてしまう。そんなシビアな条件の中で、出会ったとたんにひと目惚れしたのがこのATOLLだった。

 DYNAUDIOといえば立体的な空間表現が得意なスピーカーだ。で、意外に知られてないようだが、ATOLLはその特徴をうまく引き出す能力をもっている。アンプ自体がボトルネックにならず、スピーカーの特性が素直に出る。例えばDYNAUDIOとATOLLを組み合わせるとスピーカーから音が出ている感じがまるでなく、あたりの空間そのものが鳴っているかのような不思議な感覚が楽しめる。いわゆるスピーカーが消えるという現象だ。

 周囲に広がる音場を観察すると、幅や高さは十分ある。またバンドのドラマーがメンバーのいちばん後ろにいるのがわかる奥行き感もちゃんと表現してくれる。

 それだけでなくドラムの左手にあるハイハットや、左右のシンバルの区別、スネアの高さ、手前のタム、足元にあるバスドラムなど、それぞれの位置が手に取るようにわかる。ATOLLはDYNAUDIOを扱うDYNAUDIO JAPANが輸入しているアンプだが、なるほどそれもうなずける感じだ。

■実売10万台前半で買えるコストパフォーマンスの高さ

 またコストパフォーマンスの高さも魅力のひとつである。例えばIN100SEの希望小売価格は17万8,500円だが、ショップによっては探せば13万円台で手に入るところもある。

 一方、ひとつ下のクラスに当たるATOLL IN50SEの価格は11万5,500円だが、こっちはなんと8万円台で出している店を見つけてびっくりしてしまった。

 IN50SEの方もずいぶん試聴したが、10〜20万円台クラスのスピーカーを鳴らすのに充分な駆動力がある。値段を考えれば、かなりお手ごろだ。もちろんDYNAUDIOのAudience 42も軽く鳴らしてくれた。兄貴分のIN100SEは重心が低く低域の量感があるが、IN50SEの方はもっと軽快で中音域が立っている。とはいえ基本的な音色や鳴り方は同じだから、単純に予算に合わせて選べばいいだろう。

【コラム】 ATOLLはどこで試聴できる?

ATOLL IN100SEの内部写
※ATOLL IN100SEの内部写真 (クリックで拡大)

 ATOLLは置いているショップが限られるが、DYNAUDIOの輸入代理店であるDYNAUDIO JAPANが扱っているため、DYNAUDIOのある店でなら試聴できる可能性が高い。全国のDYNAUDIO取扱店は以下のリンク先の通りだ。

DYNAUDIO取扱店 (左の文字をクリック)

 また東京・新富町にあるDYNAUDIOのショールーム「on and on」に問い合わせ、最寄りのATOLL取扱店を聞くテもある。ショールームのホームページも以下に載せておこう。リンク先のページの最下段に電話番号がのっている。なお、このショールームでもATOLLやDYNAUDIOの試聴はできるから、東京近郊の人なら足を伸ばして損はないだろう。

●ショールーム「on and on」 (左の文字をクリック)


【関連記事】

『広い音場と甘く芳しい蜜の味、YBA PASSION 300 INTEGRE』

【関連サイト】

ATOLL Electronique (ATOLL・フランス本社のホームページ)

tag : ATOLL IN100SE DYNAUDIO Audience42 IN50SE YBA PASSION300INTEGRE

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

こんばんは(*^_^*)

オーディオ購入を考えてますがいまだに買えておりません^_^;

音の広がりを重視しておりましてラックスとタワーを考えてますが低音が出ないのを悩んでます。

価格ドットコムでいつも勉強させてもらってます。

エキサイトのトールボーイとアトールの100だとどのような感じになりますでしょうか?

ラックスの505とエキサイトで聴いたら暗く面白くない音でした^_^;

yuukiさん、こんばんは

エキサイトのトールボーイは一度しか聴いてないのではっきりとはいえませんが、ATOLLと組み合わせれば少なくとも暗い音にはならないと思います。

ただ、セオリーとしてはまず好みのスピーカーを決め、次にそのスピーカーを鳴らせるアンプを選ぶのが手順としてわかりやすいです。まずはスピーカーをいろいろ試聴してみてください。ではでは。

TA-F501とATOLL

こんばんわ。
私もDYNAUDIO Audience 42を所有しています。昨年末、アンプを購入するつもりで、店へいったのですが店頭でこのスピーカーが展示品としてあり、音を聞いて感動しましてそのまま購入となりました。そのままアンプは購入せず今に至っています。約1年、思考したなかで、ソニーのデジタルアンプTA−F501とATOLL IN50SEに絞られてきました。TA−F501は、以前にもこちらのブログでも紹介されほとんど決まりかけていましたが、今回の記事でまた振り出しに戻ってしまいました。
Audience 42+TA-F501と比較した場合、どのうような違いになるのか興味があります。もし、試聴されていれば、感想をお願いします。

narigogoさん、こんにちは。

まずTA-F501とN50SEは、それぞれ試聴されたことはおありですか? (もし試聴されてるなら両者はぜんぜん違う音ですから悩む要素がないですし、たぶん聴いてないのですよね?)

聴いてないもの同士を見比べていても結論は出ない気がします(^^; narigogoさんがどんな音をお好きかも私にはわかりませんし、なんともいえませんねえ。まず両者を試聴してみてくださいな。ちなみに私はTA-F501自体はむろん聞いたことはありますが、42で鳴らしたことはありません。ではでは。
プロフィール

Author:Dyna-udia
引退した日曜へぼベーシストです。DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいでオーディオ熱がぶり返し、こんなブログをやってます。

最新記事
カテゴリ
全記事一覧・表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
検索フォーム
メールフォーム
※私にメールで連絡が届きます

あなたの名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文:

最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード