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Violaは音色を楽しむことができるアンプである

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我が家のViola

ソリッドなNmodeとはまるで反対だ

 メインのアンプをNmodeからViolaに変えた頃は、ニヤニヤ笑いが絶えなかった。

 だって「これほど正反対の音が成立するのか? オーディオってこれだから面白いんだよな」みたいな思いがこみ上げてくるからだ。

 Nmodeといえばまったく余計な色づけがなく、まるで透き通った蒸留水のように澄み切った音である。そこがいい。

「Nmodeには音の厚みがない」といえばその通りだが、その厚みなるのものは、つまりは色づけなのだ。それがないところがいいのである。

 ふつう、音の厚みといえばポジティブな意味に解釈される。Nmodeにはその厚みがないんだから、単純に考えたらこれは「ダメな音だ」ってことになる。

 だが、実はそこが真逆なのだ。厚み=余計なものがないから、いいのである。

Violaは逆に「厚みがある」ところがいい

 しかしViolaには、その音の厚みがある。これはNmode的な常識で考えたら、もう邪道でありダメな音だって話になる。だけど、そこがいいんだなぁ。

 色づけのないNmodeとは正反対の概念なのだが、そこが実はViolaのよさなのである。

 ここのところがNmode的な考え方に縛られていると、そうは考えられない。

 つまり複数の価値観を同時に同じ耳で許容できなければ、音が正反対のNmodeとViolaを同時に「いい」とは考えられないのである。

 これが実は音を「客観的に分析する」ということなのだ。

客観的に音を分析するのはむずかしい

 ふつう、オーディオの良し悪しを言うときには、その人の「個人的な好み」が尺度になってることが一般的だ。

 つまりAという機器の音が「好き」だから、「Aは良い」と判断する。これはきわめて主観的な判断である。

 だが「私はAの音が好き」だからそれ以外の音はダメだ、では主観的な判断だけで終わってしまう。世界が広がって行かない。

 そうじゃなくてAはここがこういいから「良い」。他方、それとは正反対の音が出るBは、あそこがああいいから「良い」。これが音を主観に頼らず客観的に分析するということだ。

 こう客観的に考えるコツは、とにかく自分というものを突き放し、「好きか嫌いか?」じゃない思考をすること。

「この音は嫌いだ」と思っても、「でもじゃあ、この音の良さっていったいなんだろう?」と考えてみる。自分の好みを離れて思考してみることである。

頭で考えた音とカラダで感じた音

 と、私はこんなふうにえらそうに言ってるが、自分がそうできているか? といわれれば疑問がある。

 確かにNmodeとViolaという正反対の音を同時に「いい」と思っているが、「いい」の中身がちがう。

 正直に言えばNmodeをいいと思うのは、位相がうんちゃらで空間表現が立体的だからだ、とか、トランジェントに優れ歯切れがいいからだ、みたいなどっちかと言えば「頭で考えて」出した結論だ。

 ところが一方、Violaをいいと思うのは理屈じゃなく、そう「カラダで感じて」いるからである。

 この音色はいいなぁ、とか、ズドンと重い音が飛んできて気持ちいいぞ、みたいな体感的な感覚だ。つまり私はViolaが好きなのである。

 そう考えれば私はNmodeに関しては客観的にいいと判断しており、かたやViolaについては主観(好み)でいいと感じていることになる。

 俺は客観的にモノを見られるぞ、なんてエラソーなことを言ってても結局はそういうことなのだ。

 その証拠に私、アキュフェーズのあのカリカリいう耳障りな高音を聴いただけで気絶しそうになり、とても「アキュフェーズは客観的にどこがいいか?」なんて考えられませんもん。

 とすれば結局、人は主観的に「好き」なものを聴いているんだなぁ。

 なんかオチない話ですんません。ハイ。

【関連記事】

『それは旧「レフィーノ&アネーロ」から始まった』

『オーディオ試聴のコツは「相対評価する」ことだ』

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tag : Viola_CadenzaViola_Symphony

人は故郷に帰って行く

viola

C1初体験のアンプがViolaだった

 Dynaudioのスピーカーである愛機C1に関しては、購入するまであれやこれやの試聴遍歴がある。そしてC1を初めて組み合わせで聴いたのが、ちょっと前に購入したアンプのViolaだった。

 長い試聴の旅の初期の頃、秋葉原の今はなき某オーディオ専門店にたまたま行ったら、C1Violaのセットがそこにあったのだ。

 何の気なしに試聴をお願いしたら、出てくる音がすごいのなんの。まあハイエンドの音を聴いたのがそのとき初めての体験だったのだから無理もないが、とにかくインパクトが凄かった。

 で、当時はオーディオのことなんてよくわかってなかったから、「このスピーカーを買おう」と思ってしまったわけだな。そのとき聴いたその音は、Violaと組み合わせなければそうはならないのだが、てっきりこれが「スピーカーの音だ」と思ってしまったわけ。

 それからというもの、C1を買うまでに試聴の旅で何年もかかった。C1があの店にある、と聞けばどんなに遠くても出かけていった。で、やっとC1を買ったわけだが、そのとき持っていたアンプと組み合わせても当然、はじめてViolaで聴いた時の「あの音」にはならないわけだ。

「はぁー、オーディオってのはこういうもんか」とだんだん様子がわかってきた。

 で、所有するC1を好みの音で鳴らすため、自宅のC1を梱包してはタクシーに乗せ、オーディオ専門店へアンプの試聴に行く、という難行苦行が何年も続いた。

 そして出た結論としては、初めて聴いた「あの音」は結局、初めて聴いたその時の機材でなければ出ないのだ、という極めて単純なことに気づくのに何年もかかってしまった。

 そんなわけでいま我が家には、初めて聴いた時のアンプであるViolaがいる。度重なる女性遍歴を経て、初体験の女性のもとに戻ったようなものだ。「あの何年にも渡る試聴行脚はいったいなんだったんだ?」と思わなくもない。

 だがもちろんあれらの試聴はムダだったどころか、私にオーディオの何たるかをいろいろ教えてくれた。貴重な体験ができたと思っている。試聴機材をお貸しいただいたお店には感謝している。

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tag : C1Viola

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DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

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DAC:SOULNOTE dc1.0,
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