ESOTERIC K-01XD、涼やかな貴族

シャープで高い分解能
クールでシャープな解像度の高い音だ。音像が明瞭この上ない。
音のエッジが明確で、決して輪郭を緩ませない。ピアノの音には芯があり、がっしりした骨格がある。キリリと引き締まった甘さのない音だ。
立体的な空間表現も一定レベルをクリアしている。
音数も多い。
ただし、この音は好みが分かれるだろう。基本的な能力は非常に高いが、この音色には好き嫌いが分かれるはずだ。
あえて私の好みで主観的な表現をしてしまえば、暗い音色で気分が高揚しない。カチカチに硬い音で色気を感じさせない。
SOULNOTEの単体DACであるdc1.0とトランスポートのsc1.0との組み合わせと比較試聴したが、躍動感が圧倒的にちがう。もちろんSOULNOTEコンビの圧勝だ。
おそらくクラシックを聴くにはいいが、ホットなジャズやロック、灼熱のファンクなんかにはおおよそ向かない音だ。「気がつくとカラダでリズムを取っていた」みたいな躍動する音じゃない。
てなわけで私の好み的には合わず、お買い上げを断念しました。
余談だが今回の比較試聴では、SOULNOTEのdc1.0とsc1.0セットのよさばかりが際立った。
驚いたことに我が家のSOULNOTEコンビは、下手すると200万クラスの音質らしい(笑)。まさかこんなにコスパがよく、潜在能力が超絶的に高いとは思ってもみなかった。
このSOULNOTEコンビに匹敵するCDPなんて、ハイエンドでもめったにないのかもしれない。
こりゃ、買い替えは断念したほうが正解なのかもなぁ。