ソースの「味」を生かすオーディオこそ命だ

※Cambridge AudioのUSB-DAC、DacMagic Plus。50年代のまったりジャズの良さが出る。
高音質かどうか? が問題じゃない。キモは「味」だ
このところ、大画面テレビでYouTubeの音ばかり聴いている。
いまさらだが、ハマっているのはマイルス・デイビスの「4部作」である(ベタだなぁ)
いや、というのもテレビと組み合わせているオーディオ機器が、50年代のマイルスの良さを最大限に引き出すキャラだからだ。別にどうしてもマイルスの4部作を聴きたいわけじゃなく、あまりにも「4部作」のソースの魅力が生かされるオーディオ機器だから聴いているのだ。
ちなみにテレビと組み合わせてYouTubeを再生させている機器は、DYNAUDIOの名機Audience42(スピーカー)とSOULNOTEのsa3.0(アンプ)。USB-DACは、Cambridge AudioのDacMagic Plusである。
このセットの音のキャラクターを決めているのは、明らかにUSB-DACだ。DacMagic Plusが、マイルス・デイビス「4部作」のいかにも50年代らしい艶と温かみのあるホットな音のテイストを表現するのにバッチリなのだ。低音に厚みがあるのもいい。
もしこれが例えばメインシステムの方で使っているSOULNOTEのDACなんかだったら、台無しになる。いや「音が悪い」という意味ではなく、SOULNOTEはマイルス「4部作」の音色・音質とはまるで正反対に位置する、ひんやり冷たくシャープでカラカラに乾いた音色だからだ。つまりSOULNOTEでは、マイルス「4部作」ならではの「味わい」が出ないのだ。
で、私はオーディオ機器のキャラに合わせ、ソースを選んで聴いてるってわけだ。
いや本来ならこれって本末転倒で、ホントなら自分の聴きたい音楽に合ったオーディオ機器を選ぶのが正しい。だが今回の場合、私にしては珍しく試聴せずにUSB-DACを買っちゃったもんだから仕方ない。まあそのおかげでケガの功名、今さらながらに手垢のついた耳タコのマイルス4部作の「良さ」が改めて体感できているのだから儲けものだ。新しい発見である。
何しろ同じ50年代のマイルス4部作を、メインシステムで組んでいるDYNAUDIOのC1やらNmodeやらで聴いてもソースの「良さ」と「味わい」がまったく出ない。非常に「現代的」で、冷たく切れ味の鋭すぎる音になっちゃう。50年代のマイルス4部作が、である。それじゃあ、味もへったくれもない。
そんなわけでサブシステムのおかげでマイルス4部作の良さを再発見し、最近はサブシステムでYouTubeの音ばかり聴いているってわけだ。まあ普通の「オーディオマニア」ならあり得ないだろうけど、私はオーディオマニアじゃなく「音楽ファン」なので、こういう音の聴き方をしているのである。
いやぁ、いいもんですよ。こういう音楽の聴き方も。
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