購入前の試聴でカギになる3つの要素とは?

※我が家の初代Dyna型スピーカー、DYNAUDIO Audience42 (売る気は毛頭ございません)
通りすがりにひと目ぼれ
今回は珍しくDYNAUDIOとの出会いについて書きましょう。
私は昔、学生時代に買ったヤマハのNS690というスピーカーを使っていました。このスピーカーとは長い間つきあいましたが、ふつうに音楽を楽しんでいただけです。「オーディオそのもの」についてなど特に考えもしませんでした。
そんな日々が長期間続いたのち、ある日たまたま通りすがりのショップで衝撃的な出会いをしました。いや、オーディオが置いてある店へ行くことなどなかったので、本当にたまたまでした。
そのフロアに入った瞬間、鳴り響く音を聴き、雷に打たれたようなショックを受けました。ものすごいリアリティだったのです。自宅のスピーカーとは段違いでした。
「いま鳴っているのはどのスピーカーですか?」
店員さんに聞くと、DYNAUDIOのAudience 42でした。
その日以来、試聴が始まりました。仕事が終わればほとんど毎日、その店へ通い詰めました。もちろんそのスピーカーだけでなく店にあるさまざまななスピーカーを聴きました。当時すでにオーディオ系のネットの掲示板などもよく読んでいましたが、「他人に質問しよう」なんて考えもしませんでした。だって自分の耳で聴き、自分自身が納得できなければ気がすみませんから。
さてファースト・インプレッションで「すごくいい!」と感じたスピーカーは見つかりました。ですが、「探せばもっといいものがあるかもしれない」という思いにもかられました。で、インターネットでショップを探し、あちこちの店へ行きました。
当時のDYNAUDIOはまだ鳴らしにくく、アンプを選びました。いろいろ試聴しているうちに、素晴らしい音で鳴るアンプと、まったくダメなアンプとにはっきり分かれることが自分の耳でわかってきました。とすれば1機種でも多くのアンプと組み合わせて聴きたい。そんな強い思いに突き動かされました。
ところがDYNAUDIOは置いている店が極めて限られます。全国でオーディオ店がいちばんありそうな東京でさえ、DYNAUDIOを置いている店は2~3店舗しかありません。これでは充分にいろんなアンプと組み合わせて聴けません。で、取扱店を調べ、他県の店へも遠征しました。組み合わせたアンプは数十機種です。結局、このAudience 42を買ったのは、出会いから一年半後のことでした。完全に納得の買い物でした。
アンプの選定やセッティングについても、店の試聴室であれこれ試してもらいながら同時平行で聴き進めました。ですから購入後、自宅で鳴らしても試聴時と何ら変わりない音が出ました。どこにも不満などありません。最初から大満足でした。
いま振り返ればその一年半にわたる試聴は、「探せばもっといい機種があるかもしれない」、「本当にこのスピーカーでいいのか?」、「このスピーカーに決めるとすれば、使えるアンプは何か?」。この3項目を確認するための試聴でした。あとから考えれば「自分はどんな音が好みか?」という最大のテーマには、初めから結論が出ていたことになります。
いずれにしろオーディオ購入前の試聴では、この3つの要素にいつ結論を出せるかがポイントになりそうです。
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