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ブラインドテストは意味あるか?

 ブラインドテストは、オーディオの本当の価値を測れる唯一の方法であるかのように認識されているが、まったくナンセンスだ。

 オーディオはそうした科学的な価値判断だけでなく、所有することで得られる精神的な豊かさや満足度、贅沢感、デザインの美しさなど、心理的な側面まで含めたトータルでの文化的価値判断がなされるものだ。ブラインドテストでは、当然、こうした文化的な価値までは算出できない。

 逆にいえば 「音だけ」 聴いて、いったい何の意味があるんだろうか?

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ジャンル : 音楽

オーディオのセオリーを疑え

クラシック向きのセオリーばかりのオーディオ界

 歴史をさかのぼれば、オーディオはもともとクラシック音楽をいい音質で再生するために発展してきた。ゆえにオーディオ業界やオーディオ・マニアはクラシック再生を想定し、そこからオーディオのさまざまなセオリーや常識が生まれた。(ただしこれらはあくまでクラシックを心地よく再生させるためのノウハウであることが多い)。

 だがその後、社会の近代化が進んで音楽も多様化し、いまや音楽人口はクラシック愛好家だけでなく多くのジャンルに幅広く分散している。例えば日本で音楽人口がいちばん多いのは、おそらく圧倒的にJ-POPだろう。

 ところが再生させるべき音楽の方は多様化したのに、オーディオ界では相変わらず昔と同じクラシックの再生を想定したセオリーや常識がまかり通っている。

 一例をあげれば文末の【関連記事】で解説した「ゴム系のインシュレーターは絶対禁物! マグネシウムのような金属系がベストだ」みたいな常識だ。これはつまり解像感が最優先されるクラシックの再生を想定したセオリーである。

 だが逆にロックやR&Bを聴く人は、解像感よりむしろパンチのきいた躍動感が出るゴム系のインシュレーターの方がよかったりする。

 とすれば一般に「○○を使うのがベストだ」とか「××には○○を組み合わせるのがいい」などと、あたかも何にでも適用できる絶対的なセオリーであるかのように言われていることも、いちいち疑ってかかる必要がある。ときにはセオリーと正反対のことをやるのが自分の場合は正解だったりするからだ。

 もしあなたがクラシック以外の音楽を聴いているなら、なおさらである。

【関連記事】

『付帯音や歪みが「味」になる音楽とそうでない音楽』

『トランジェントのよい音は 「正しい音」 か?』

『解像度ってそんなに重要か?』

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どこにお金をかけるのか? それが問題だ

オーディオは上を見始めるとキリがない

 オーディオでは、上を見始めるとしまいにゃ電柱を買うハメになる。なので私はみずからに閾値を設けている。でないと際限なくコストをかけることになり、オーディオ関連業者にいいように食い物にされるからだ。

 話をわかりやすくするため、まずはイヤホンを例に取ってみよう。

 私はiPod用にUltimate Ears TripleFi 10 Proというカナル型イヤホンを使っている。だがサードパーティー製の高価な交換ケーブルには絶対、手を出さない。このイヤホンの本体は5万円くらい。なのに1万円以上する他社製の高級交換ケーブルが出回っているのだ。そんなものまで買い始めるとキリがない。コスト・バランスが悪すぎる。

 また私はポータブル・アンプには手を出さない。もちろんポタアンを使えば音は良くなるに決まっている。だが街をうろつくとき持ち歩くiPodを使うにあたり、わざわざカサ張る上に重いアンプを持ち歩くなんて本末転倒だ。街の風景を楽しむためのBGM再生装置であるiPodにアンプなんていらない。

 もちろん自宅でもイヤホン挿してiPodを聴くなら別だ。だが私は自宅ではスピーカーで音楽を聴いているからその必要はない。そもそも5万のイヤホンに、5万のポータブル・アンプなんてコスパが悪すぎる。いやもちろんどこにお金をかけるかは個人の自由だし、繰り返しになるがアンプを使えば音は良くなるに決まっている。だがそんなふうに上を見始めるとキリがない。

 こうして私は、余ったお金で1枚でも多くCDを買いたい。私の第一目的はあくまで音楽を楽しむことであり、その他のことにムダなお金を費やすなんて考えられない。

 さて、これをピュア・オーディオに当てはめれば……もうおわかりだろう。

 いや確かに電気を 「きれいに」 するため我が家の屋根にソーラーパネルを設置した。これは原発に依存し切った今のエネルギー構造を転換する一助になれば、との思いもある。で、電気の完全自家発電体制を作るところまではやった。その際、電気系統も見直し、ついでに壁のオーディオ専用コンセントもいくつか新設している。だけど効果のわからないクリーン電源にコストをかけるなんてナンセンスだ。

 ほかにも吸音ボードやら拡散材、怪しい調音アクセサリー、スピーカーケーブルのための(!)インシュレーター、高級電源ケーブルなどなど、上を見ればキリがないほど高価なものは売られている。だけど、そんなものに余分なコストをかけるつもりはない。

 こうして余ったお金で私は1枚でも多くCDを買いたい。なにしろ好きな無数のアーチストの聴きたいCDは、次から次へと際限なく新譜が出るのだ。

 私はそこに湯水のようにコストをかけたい。

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