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あなたのスピーカーをハイスピードにするには?

 B&W CM1という低音がとても豊満なスピーカーがあります。私の感覚では、ちゃんとスピーカースタンドに設置した状態でも、この機種の低音は「多すぎる、ゆるい」と感じます。

 ところがある日、通りすがりのショップの店頭で、ものすごく低音が引き締まったハイスピードなCM1を見かけました。

 CM1がそんな鳴り方をするのを聴いたのは、初めてです。非常に驚き、店員さんに「こんなに低音が引き締まった歯切れのいいCM1を聴いたのは初めてです!」と思わず声をかけました。

 するとその店員さんはニヤリと笑い、背面のバスレフポートからスポンジを引き抜いて見せました。まさかこっちはスポンジが詰めてあるとは思いませんから、なんのことはない手品でした。

 なーんだ、そういうオチかぃ。

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tag : B&W_CM1ハイスピード引き締まった歯切れのいいスポンジ

トランジェントのよい音は 「正しい音」 か?

 先日、おもしろい体験をした。通りすがりにオーディオ店へ寄ったのだが、ちょうどB&W 805SDがデノンのPMA-SA11で鳴っていた。

 流れている音楽は熟年の女性ジャズボーカルだ。出音は大人の女性の色気たっぷりで、えもいわれぬ余韻がふんわり漂っている。声には艶と潤いが乗り、まったりした雰囲気がすごくよかった。

 で、試しにアンプをPMA-SA11とは正反対のキャラのラックスマン L-507uXに替えてみた。すると音がとたんに豹変し、「余韻」 などまるでない、歯切れのいいハイスピードな(笑)鳴り方に変わった。艶や潤いも消え、かっちりハッキリした音になった。もはや大人の女性の色気もへったくれもない。アンプがソースに合わないのだ。(いやL-507uXの名誉のために言っておくが、もちろん彼には別の働き場所があり、別のマッチするソースがある)

 起こった出来事を分析してみよう。

 PMA-SA11で鳴っていたうちは、デノン特有の(悪くいえば)低音のにじみが声の艶や余韻に転化され、トランジェントの悪さ(歯切れの悪さ)が逆に女性ジャズボーカル特有のまったりした雰囲気を作っていた。音のにじみやある種の 「歪み」 が味になり、スピードの遅さがゆったりリラックスできる大人のオンナの武器として機能していた。

 再生させるソースにさえ合えば別に高解像度ハイスピードでHi-Fiな音でなくても、いや正確にいえば 「そうでない」 からこそ、その音楽のもつ味わいがよく表現される。

「トランジェント特性に優れている」 といえば、絶対的に 「正しい音」 のようなイメージがある。だが現実はそう簡単じゃないし、音楽の世界はもっと深い。

【関連記事】

『付帯音や歪みが「味」になる音楽とそうでない音楽』

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機器選びはまずスピーカーから

 オーディオは何から選ぶのがベストか? まずスピーカー? それともアンプ? と疑問を持つ人は多い。そこで今回は機器選びの順番について書こう。

 話をわかりやすくするため単純化すると、あなたがまだ何も持っていない状態なら、まずスピーカーの機種を決めるのがかしこい。

 なぜならスピーカーは、システム全体の音をいちばん大きく左右するからだ。つまりスピーカーを決めた時点で、システムの音がかなり決まる。言い換えればスピーカーを選ぶというのは、システム全体の音の方向性を決めることでもある。

 またスピーカーの中には極端に能率が低いものがあったり、鳴らしにくい製品もある。この場合、スピーカーをドライブするアンプの力が重要になる。つまりそのスピーカーに合ったアンプを選ぶことが大事だ。

 まとめよう。まず好きな音が出るスピーカーを決める。次にそのスピーカーをうまく鳴らせるアンプを選ぶ。この手順がいちばんわかりやすく、まちがいがない。

スピーカーの機種によってはアンプの役割も変わる

 ただしスピーカーの機種によっては、どんなアンプで鳴らしてもスピーカーの音(個性)が強く出るものがある。この場合、仮にアンプを替えても、大なり小なりスピーカーの個性がハッキリ出る。色付けの濃いスピーカー、個性の強いスピーカーの場合、こうなりやすい。

 たとえばJBLなどは典型だ。アンプを替えても頑固にJBLの音が出る。もちろんJBLだってアンプを替えれば音は変わるが、その音が「JBLであること」にはまちがいない。

 一方、DYNAUDIOやFOSTEXのように色付けのないスピーカーの場合、上流の音がそのまま出る。アンプやCDPの音をスピーカーがあまり脚色しないからだ。ゆえにアンプの音が素直に出る。

 こういうスピーカーの場合、アンプを替えれば敏感に反応し、替えたアンプの音が出る。だから「スピーカーの音を聴いている」というより、「アンプの音を聴いている」かのような感覚になる。またCDPを替えても音の変化がわかりやすい。

 とすればこのタイプのスピーカーは、どんなアンプを選ぶのかでシステムの方向性が大きく変わる。いってみればDYNAUDIOやFOSTEXは、真っ白なキャンバスである。そこにどんな色(アンプ)を塗るのかで、絵が決まる。その白いキャンバスにどんな絵を描くかは、あなたの自由だ。

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tag : JBLDYNAUDIOFOSTEX

自分の耳で確認するまで何も信用しない

ネット情報を簡単にうのみにする危険度とは?

 ある人が価格コムで某アンプについて、「この機種は口コミやレビューがまったくないが、よくない製品なのか? 何か問題のあるアンプなのか?」と質問していた。

 いや、口コミやレビューがない理由なんて、「たまたまその機種の所有者や試聴した人が書き込んでないだけ」とか、「たまたま所有者や試聴した人が価格コムを見てないだけ」など、いくらでも考えられる。

 にもかかわず、「口コミやレビューがないのは製品が悪いからに違いない」などと、ネット情報を簡単に妄信するのは非常に危険だ。

 こういう人はちょっとした偶然や特殊事情で「ネット上ではそう見えているだけ」なのに、そこに何か深い意味があるものと勝手に解釈する。で、その解釈をもとに軽はずみな行動をしてしまう。ネット上を流れるデマやウソに影響されやすく、うわべの見かけに流されて損をしてしまう。

 いや実際、こういう人は今やすごく多い。ネットというものを疑うことを知らず、流れてくる情報を何でもうのみにしてしまうのだ。

掲示板でもらった答えを信じて買い物する「愚」

 たとえばオーディオ系の掲示板では、「おすすめのスピーカーを教えてください」などと質問するのが今や当たり前になっている。で、それに対し回答者が「○○というメーカーのAという製品がおすすめだよ」などと答えたりする。すると質問者はまったく疑いもせず、「ありがとうございます。ネット通販で明日、買います」などとやっている。

 よくそんな回答をうのみにする気になるなぁ、とすごく不思議だ。

 だって回答者の中には、質問者の好みなどまったく意に介さず、「自分(回答者)自身が好みの特定の数機種だけ」を強く他人にすすめる人もたくさんいる。そんな回答を信用しては百害あって一理なしだ。

 また質問者はどんな音が好きなのか、ぜんぜん聞かずに答える回答者もいる。質問者が聴いている音楽を逆質問せずに回答する人もいる。あるいは質問者が「○○な音が好みです」、「××な音楽を聴いています」と言っているのに、どう考えてもそれとはまったく縁のない機器をすすめる人だっている。

 とすればネット上にある各種レビュー(私のレビューも含め)や、(私を含めた)回答者の答えなどをいったんすべて疑ってかかり、「自分の耳で確認するまで何も信用しないぞ」というくらいがちょうどいい。

 つまり自分で情報のウラを取ることが重要なのだ。ネットがあって当たり前の時代だからこそ、流れてくる情報の真贋を自分で見きわめ、正しい情報だけを取捨選択するメディアリテラシーが求められる。

 そして 「オーディオ情報のウラを取る」 とはすなわち、自分の耳で試聴することにほかならない。

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DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

SP:Dynaudio Confidence C1 platinum,
Pre AMP:Viola Cadenza,
Power AMP:Viola Symphony,
DAC:SOULNOTE dc1.0,
CDT:SOULNOTE sc1.0

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