DENON PMA-390RE、考えるな、カラダで感じろ

ジェームス・ブラウンの躍動感で熱狂の渦に
艶と潤いのあるウォームな音だ。同じ価格帯のアンプの中では有数のパンチ力を誇る。エネルギッシュで力感があり、低音がズシンと腹にくる。
音場感や定位感、音の分離といった定規で測ったような性能は価格なりだが、「このコースへ入ってきたら必ずホームランが打てる」という絶対的なツボを持っている。
それはロックやR&Bなど、陽気で明るいアメリカン・ミュージックにめっぽう強いことだ。
試聴ではマランツのPM5004と聴きくらべ、「PM5004の方が高解像度で音場が広く定位も明瞭」などと重箱の隅をつつくようにチマチマやっていたのだが……試聴に持ち込んだメシオ・パーカー(ジェームス・ブラウンのバックバンドやってた人)のライブ盤を再生させると、辺りはたちまち熱狂の渦に。
音の勢いにブッ飛び、定位だの音場だの、そんな細かいことはもうどーでもよくなった。
とにかく音楽の爆発的な熱狂を体現できるアンプなのだ。こういう音はPM5004では絶対出ない。
「それなら」と、本家ジェームス・ブラウンの 「Give It up or Turnit a Loose 」 を再生させると、JBの火の玉のような躍動感がズンズン飛び出る。レナード・スキナードのラフで粘っこいギターサウンドもツボだ。もちろんストーンズもゴキゲンでした。
本日の結論。
スピーカーに正対して虚空をにらみ、「定位が」とか「音の分離が」などと頭で考えるのでなく、カラダで音楽を楽しみたいならこいつで決まりだ。