DYNAUDIO DM2/6、実売8万クラスの最終兵器

このクラスではありえない解像度の高さと立体感
初めてDM2/6の音を聴いたとき、「実売8万台でこれはない」と驚きました。ここ数年、確かに5万~10万クラスのスピーカーは、B&W 685を筆頭にこの価格帯ではありえない良い仕事をしている製品が多いです。
ですがDM2/6はここまでコストを抑えながらも、数十万円クラスのDYNAUDIOの上位機種と同じブランド・コンセプトを堅持しています。おまけに解像度の高さと立体的な空間表現、スピード、キレ、音像のリアリティは、この価格帯では考えられないレベルです。10万円以下でスピーカーを探すなら、「これ1本」という存在でしょう。
例えば10万円以下で本機と似た方向性のスピーカーを選ぶとすれば、このDM2/6とFOSTEX GX100MAが双璧です。
ですがGX100MAは低音の質感がFOSTEXらしく、ややひ弱で軽いのが気になります。そのためDYNAUDIOのような 「的を打ち抜く打撃感」 に劣ります。(これは低音の「量」の問題ではありません。質の話です)。 またGX100MAの金属的でソリッドな音色も好みが分かれそうです。
それに対し適度な量感と密度感を持ち、ガッツがありながら解像度が高くて速いDM2/6の低音はいかにもDYNAUDIOらしいテイストです。このあたりは低音に対するメーカーの思想のちがいでしょう。
DM2/6の基本的な音調はFOSTEX GX100MAと同じくモニター系です。くせのないフラットで素直な音です。そのぶん組み合わせるアンプを工夫すれば、幅広くいろんな好みの音が出せます。つまり好みの音を作りやすいです。
例えば艶や潤いのあるアンプと組み合わせれば、そのまま艶と潤いのある音が出ます。また音に色気がほしければ、色気のあるアンプをあてがってやればいい。
つまりスピーカー自体が固有の色を持たず、アンプの個性が脚色なしでそのまま出ます。なので好みの音色のアンプを組み合わせるだけで、あなた好みのオーディオ・セットが一丁上がりです。
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