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マランツ PM7004、重低音も乗りこなすクラス破りの駆動力

マランツPM7004

すっきり涼やかなマランツらしい味わい

 寒色系で、スキッと涼やかな鳴りが心地いい。音の方向性としては以前レビューしたPM8003と同じく、あっさりヘルシーなサラダ味だ。

 楽器の音ひとつひとつの分離がよく、なかなか立体的な鳴り方をする。解像感のあるハッキリした音を出すが、かといって音が硬いわけじゃない。一方、低音はエッジを立てる音作りではないが、音の輪郭は決してボケさせない。

 なんというかいろんな要素が中庸なのだが、その随所に散らばる中庸ぶりがうまくバランスしたデキのいいアンプ、という感じだ。

 侮れない駆動力があり、音の輪郭がにじみがちなハモンドオルガンの重低音もきっちり制動する。マランツといえば華奢でか細いイメージがあるが、どっこい、太くて重い低音にも位負けせずにしっかりグリップする。

 そのため低音の量感があるソースでもぼってり重たくならず、シャキッと軽やかにキレよく鳴らす。この音がスピーカーとCDプレーヤーあわせて合計15万円(実売ベース)で手に入るのだからすごい。

 おっと、忘れてた。組み合わせた機器は、スピーカー:B&W 685、CDプレーヤー:マランツ CD6003でございます。これで15万ぽっきりなんだから、まったくいい世の中になったものだ。

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tag : マランツPM7004PM8003B&W_685CD6003

ケンウッド R-K1000、太く柔らかな響きにまったりする


ケンウッド R-K1000

暖かみとスケール感のある豊かな低音

 暖色系で、スケール感のある豊かな低音が鳴る。定位や空間表現もこのクラスとしてはかなりのものだ。リード楽器と背後のバンド全体との間の奥行き感もちゃんと表現している。

 中高域はデジアンらしいカチッとした質感だが、デジアンっぽい薄口な感じはしない。音に厚みがあり、音色もどちらかといえばまったり濃い目のキャラクターだ。

 組み合わせた機器はすべてケンウッドで、CDP:DP-K1000、スピーカー:LS-K1000。アンプ固有のキャラを確認するため、スピーカーは同じケンウッドのLS-K711でも聴いてみた。

スッキリ清涼感のあるA-5VLとは対照的だ

 ONKYO A-5VLとも聴き比べたが、スッキリ清涼感のあるA-5VLとは対照的に、暖かみと密度感を感じさせた。音像の彫りも深く、A-5VLのようなエッジの利いた低音を求めないならおすすめできる。

 ただしA-5VLみたいにスコンと抜けた見通しのよさはない。このへんは好みの問題だろう。普及価格帯のデジアンとしては、A-5VLより、SONYのTA-F501にもう少し暖かみを持たせたようなテイストだ。

低域の解像度が高いスピーカーで鳴らしてみたい

 いろんなジャンルの音楽を再生させてみたが、ソースを選ぶ気配はまったくない。予想では70年代のLAスワンプやR&Bのような泥臭い音楽より、音質のいい今風のカッチリした音が合うのかと思ったが、どっこい前者の持つホットなライブ感もちゃんと表現していた。

 スピーカーとの組み合わせに関しては、同じケンウッドのLS-K1000でまったりした音を楽しむのもいいが、個人的にはもう少しヌケをよくしたいので低域の解像度が高くタイトな音の出るスピーカーで鳴らしてみたい気がした。

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tag : ケンウッドR-K1000DP-K1000LS-K1000LS-K711ONKYO_A-5VLSONY_TA-F501

ケンウッド LS-K711、驚異のコストパフォーマンス

LS-K711

この音が実売1万円台?

 なんと実売1万円台という驚異のコストパフォーマンス機だ。柔らかく暖かみのある音色で、聴き疲れせずリラックスして音楽を楽しめる。ピリピリと神経質に「粗探し」をするようなモニター系のスピーカーとは好対照である。

 そのためハイスピードでひたすら正確に鳴るようなタイプとは逆に、どちらかといえばゆったり大らかに鳴る。このへんも音楽にリラクゼーションを求める人には得点が高いだろう。

 中域から低域にかけてはムチッとした密度感があり、音の薄さをまったく感じさせない。リズムという意味では高域(特にシンバル)はシャキシャキとキレよく刻むが、低域へ行くほどノリはゆったりになる。元気よく弾む低音には躍動感もある。また音の分離感や空間表現もこのクラスとしてはなかなかのものだ。

DENON SC-M37は敵じゃない

 では他機種とくらべた場合はどうだろうか? 同じケンウッドの上位機種、LS-K1000との比較では、音の緻密さや情報量、低音の量感などにクラスなりの差はあるが、特に低音に関しては「好みの問題」と言っていいかもしれない。

 上位機のLS-K1000は(私の耳には)下の方に量感がありすぎ低音がボケて聴こえるが、一方のLS-K711はタイトに締まった低音でこっちの方が好みだ。もし私ならLS-K711の方を買い、浮いたお金で好きなCDを山と買って音楽を楽しむかもしれない。

 一方、同じ価格帯のDENON SC-M37とも聴きくらべた。正確にはDENON「SC-M37+RCD-M38」の組み合わせと、ケンウッド「LS-K711+R-K711」との比較だが、音のキレやヌケ、解像度、分離感、スケール感などほとんどすべての要素においてケンウッドのセットが上回っていた。

 唯一、デノン・セットには強烈なパンチ力があり、HIP HOPやテクノ、打ち込みを多用したJ-POPなどを聴くにはいい。バカとハサミは使いよう、じゃなかった、オーディオは適材適所が肝心なのである。ゴホン。

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