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OCTAVE V70、瞬発力と静寂感が同居した「超」真空管アンプ

OCTAVE V70

■タイトな切れ込み感が気持ちいい

 真空管アンプらしからぬ、タイトな切れ込み感と涼やかさが気持ちいい。低域はきっちり締まっているが、バンドのドラマーが踏むバスドラの瞬発力をしっかり表現している。ベースギターの音もタイトだが、ただしあまりエッジの利いた音調ではない。

 組み合わせた機器は、スピーカーがDYNAUDIOのCONFIDENCE C1、CDプレーヤーはYBA PASSION 200だ。

■ピアノトリオの静寂感や余韻が引き立つ

 ドイツ人ピアニスト、ウォルター・ラング・トリオのアルバム「Smile」(2002年)を再生させると、彼ら独特の翳りや余韻、静寂感がひときわ映えた。またジョン・スコフィールドの「Hand Jive」(1994年)では力感を見せつけ、ビル・スチュワートの叩くドラムがはじけるように躍動していた。

 ただ激しいノリの楽曲になるとベースを中心に低域の音階がやや混濁し、各楽器の分離感もあいまいになるのが惜しい。

 とはいえトータルとしてはかなりデキがよく、購買意欲をそそられたアンプだった。「真空管」という言葉が持つほんのりしたイメージの音ではなく「鋭さもほしい」という人にはおすすめだ。

tag : OCTAVEV70DYNAUDIOCONFIDENCEC1YBAPASSION200

ONKYO D-D2E、空間表現が冴える緻密な鳴り

ONKYO D-D2E

■解像度が高く楽器の質感にリアリティがある

 ハッキリくっきりしたクリアな鳴りで、細かい音までよく聴き取れる。同クラスの国内製品の中では、おそらくいちばん解像度が高い。音場も広く、スッキリ見通しのいい音だ。帯域バランスはフラットで、各楽器の分離感がいいのも特徴である。

 低音はややあいまいな鳴り方だが、帯域を欲張った上位モデルのD-312Eなどとくらべ、D-D2EやD-112系はコリッとしたタイトな低音でこっちの方が好みだ。ONKYOの製品は低価格モデルほど、コストパフォーマンスの高さが際立つところがおもしろい。

 なお試聴時にはONKYO CR-D2と組み合わせた。

■立体的な空間表現がうまい

 一方、三次元的な空間表現も得意だ。

 例えばジャズ・ヴィブラフォン奏者、ゲイリー・バートンのアルバム「Like Minds」(1998年)を再生させると、ヴィブラフォンは両スピーカー間の中央に、またピアノはやや左寄り、シンバルは右上、ギターは右、と明確に定位する。

 そして主役のゲイリー・バートンがソロを取ればバンドの中央・最前列で鳴り、しっかり奥行きも表現している。

■録音のいいソースほどよさが出る

 試聴に使ったCDの中では、リッキー・リー・ジョーンズ「Flying Cowboys」(1989年)のような寒色系で高音質なソースがばっちりハマった。またジョシュア・レッドマンやブラッド・メルドーなど、1990年代以降の録音のいいジャズもマッチした。

 とはいえエネルギー感もけっこうあるため意外にソースを選ばず、1960年~70年代のアレサ・フランクリンのような熱い音も過不足なく鳴った。

 ただしこのスピーカーはやはり高音質なソースほど、他製品とくらべた場合のアドバンテージがはっきり出る。逆に古くて録音のよくない音楽を聴くなら、持ち前の解像感はあまり生きないかもしれない。このへんは商品選びのポイントになりそうだ。

【関連記事】

『ONKYO D-112EX、タイトな低音と中高域のクッキリ感が売りだ』

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tag : ONKYOD-D2ED-312ED-112CR-D2A-5VL

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