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JBL 4319、悲しいまでに「現代的」なマグネシウムの香り

JBL 4319

■キレやヌケ、トランジェントはよくなったが……

 JBL 4319の雛形になった同4318は、涼やかでヌケのいい高域とどんな音楽にも合いそうなテイストがJBLのスタジオモニターの中では異色だった。たぶんこのモデル(4318ライン)は戦略商品であり、時代の感性に合う現代的な要素を盛り込む「アンテナショップ」みたいなものなのだろう。

 で、新しく発売された同4319も、絵に描いたようにそんな戦略を踏襲している。ツイーターとスコーカーの素材に合金として流行りのマグネシウムを取り入れたのだ。

 反応のいいアルミ・マグネシウム合金のツイーター、スコーカーを採用したおかげで、キレやヌケ、トランジェントは確かによくなった。いわゆる「現代的なスピーカー」である。

 だが応答性のいいマグネシウムにはデメリットもあり、少なくとも私の耳には中高域のマグネシウムっぽい金属的なシャリつきが気になる。この4319と同様、マグネシウム素材を採用したFOSTEX G/GXシリーズの高域と似た感じだ。

 また流行り物のマグネシウムを採用するあたり、「JBLよ、お前もか」って感じで釈然としない。むろん生き残りをかけた近代化、多角化戦略の一環なのだろうが、私の中にある「あのJBL」がどこにでもある凡百ブランドになって行くようでちょっとさみしい。

 せめてJBLぐらいはハイスピードでトランジェントのいいスピーカーなんて志向せず、床の間にドカンとどっしりしていてほしいのだが。

【関連記事】

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tag : JBL43194318FOSTEXGXシリーズGシリーズG1300GX100G1302

【本日の物欲銀座】GOLDMUNDのTELOS 390ってどうなのよ?

telos_390

GOLDMUND TELOS 390

■GOLDMUNDらしくない(?)素顔のあなたが好き

 前に一度、「GOLDMUNDは気に食わない」と書いておきながら慙愧の念に堪えないが(またそれかい)、正直このアンプが最近気になっている。

 某所にお安いのがあることを知っているだけになおさらであり、さらにいえば某々所にATC SCM19のお手頃価格さんが私に買ってもらえるのをお待ちかねで、かつ買ったTELOS 390でそのSCM19とすでに所有しているDYNAUDIO CONFIDENCE C1を両方同時に乱交状態で鳴らせるんだから一挙両得ではないか? などと自分で自分の背中をドン押ししそうになる自分がこわい。

 もうこうなったらこの際だからとCDプレーヤーもいっしょに買ってしまうぞ。「行ったれぃ」とやっちまうか。HEGEL CDP4AかLUXMAN D-06、あるいはちょっと節約してPRIMARE CD31あたりポチったるか。ああやばいわもう。こりゃ最果ての北の国へでも行って頭を冷やすしかないな。でもあっちへ行けば行ったでまた馴染みのオーディオ屋のおっさんが待ってるんだなぁこれが。

 いや実際のところ、TELOS 390の正体はまだ掴みかねている。

「まだ素顔のわからない、あのオンナの化粧の下がやけに気になる」

 そんなところだ。

 もっとも、「これは既存のGOLDMUNDな音とはちょっと違うぞ」という感じはしている。(だって現にGOLDMUND嫌いなはずの私が「いい」と思うんだから)

 ちなみに今までこやつを試聴したセットはざっと以下の通りだ。

(1) B&W 805S+LUXMAN D-05 (初対面。非常によかった)

(2) B&W Signature Diamond+LUXMAN D-05 (まったくダメ。クソ)

(3) B&W Signature Diamond+Esoteric X-01 D2 (めっちゃよかった)

(4) B&W 802D+LindemannのCDP(型番失念) (なかなかよかった)

(5) VIVID Audio B1+マランツ SA-7S1 
 (低域が膨らみ切ってまるでだめ。1曲聴いただけで帰りたくなった)

 おおざっぱに書くとこんな感じだ。ここから導き出される定理はなんだろう? 上記(2)と(5)のセットは似たような低域の膨らみ方をしており、まるで聴く気がしなかった。たぶん(2)の場合はCDPとの組み合わせの問題だと思うのだが、(5)がよくわからない。

(1)~(5)を眺め渡すと、たぶん機器の兼ねあいによってはイヤンな低域の出方になってしまうアンプなのではないか? とも考えられる。

 このアンプ自体が発する低音が従来のカリカリなGOLDMUNDとは別人28号に豊満で濃厚、艶っぽくゆったり目なのだとすれば、組み合わせるスピーカーとCDPがそれと反対方向のシャープでタイトなコンビになり、相互補完の関係が成立した回(例えば(3))はセッションに成功し、そうでない回(例えば(2)の場合)にはお見合いに失敗する、てな法則を推理しているのだがどうなんだろうか。

 いやまあ同じスピーカーとCDPで、アンプだけ別のに替えて聴きくらべれば一発でカタがつく話なのだが。ああそうかそうしよう。そうに決まった。この話はおしまいだ。では最果ての国のオーディオ屋へ行くのでしばらくさようなら。(でもたぶん更新はします)

【関連記事】

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tag : TELOS390SCM19SA-7S1802DSignatureDiamondD-05805SD-06CDP4ACD31

ALLIONが描く音響空間の美学

ALLION
ALLION Ultimate T-125sv

■PMC PB1iをキリリと引き締める

 ハッキリ明晰、快晴な和製アンプである。空間表現もよかった。組み合わせた機器はスピーカーがPMC PB1i、CDプレーヤーはLUXMAN D-05。聴いたCDは、Christian Mcbrideの『Gettin' to It』。(余談だがこのソフトは楽器の種類と音数が多く、定位感や音場感を見るのにいい)

 PMCはBB5以下いろんな機種を聴いているが、あんなにスッキリ低域が締まったPMCを聴いたのは初めてだ。音色や鳴り方には日本人的な勤勉さを感じたが、別段ネクラではなく明るい音だった。機会があればそのあたりも含め、じっくりあらためて聴いてみたいと感じた。

tag : ALLIONUltimateT-125svPMCPB1iLUXMAND-05BB5ChristianMcbride

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DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

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