fc2ブログ

GOLDMUNDって「土の臭い」がしないよね

GOLDMUND MIMESIS 28 ME ●GOLDMUND MIMESIS SR P2.3 (クリックで拡大します)
GOLDMUND MIMESIS SR P2.3 ●GOLDMUND MIMESIS 28 ME

■エッジが利いたキレとスピードのあるクッキリ系

 GOLDMUNDといえば世の中みんなが有難がるブランドだが、へそ曲がりなのかどうも私は好みじゃない。今回の試聴はそれをハッキリ自覚できた貴重な体験だった。

 聴いたのはプリがGOLDMUND MIMESIS SR P2.3、パワーアンプは同MIMESIS 28 ME。スピーカーは毎度おなじみ我が家のDYNAUDIO CONFIDENCE C1、CDプレーヤーはAccuphase DP-85である。

 音はひとことで言ってキレとスピードがあり、引き締まってエッジの利いたハッキリクッキリ系だ。定位や音場感はいいが、私の苦手な寒色系の薄口しょう油である。音楽に繊細さや透明感を求める人には向くが、聴いていて「ふと気づくと無意識のうちにカラダでリズムを取っていた」という音では決してない。すなわち私みたいに「音楽は躍動だ」てなタイプの人間には合わない。

 音色はESOTERIC SA-50のレビューで書いたのと同じく、トーンコントロールのTrebleをグッと上げ、かたやBassを下げ気味にしたかのようなトーンだ。スピーカーとスタンド天板との間に金属系のインシュレータをかました音が好きな人には好みだろう。よくいえば華麗でブライト、悪くいえば無機的で低音域をカットしたかのような音である。

 そのため低音の利いた熱くファンキーな音楽がサッパリ合わず、持参したアレサ・フランクリンやリトルフィートのようなソースがえらく寒々しい。カサンドラ・ウィルソンもツンと澄ましてよそ行きの顔になってしまった。聴いててぜんぜんウキウキしてこないのだ。

 やっぱ、GOLDMUNDって「土の臭い」がまったくしないよねえ。逆に(アメリカの泥臭い系じゃなく)ヨーロッパの静謐感のあるピアノトリオとか、耽美的なECMレーベルあたりの音はぴったりハマるのだろうが。

 前にも書いたがオーディオ機器はグレードではなく、「何を聴くか?」が問題なのだ。

tag : GOLDMUNDMIMESISSRP2.3MIMESIS28MEDYNAUDIOC1AccuphaseDP-85ATOLLIN100SEESOTERICSA-50

Consensus Audio Lightning SEの音場感に卒倒する

●Consensus Audio
Consensus Audio(左がMagma、右がLightning SE。クリックで拡大)

 いままで聴いたスピーカーの中で、DYNAUDIO以外に空間表現の鮮やかさに驚かされたスピーカーといえば、VIVID AudioのK1B&W Signature Diamondくらいしかない(lumen whiteは聴いてない)。もちろん立体的に鳴るスピーカーはほかにもあるが、「圧倒された」レベルのものは数えるほどしかない、という意味だ。

 だけどひさしぶりにすごいヤツに出会ってしまった。ラックスマンが今年初めから輸入を始めた、オーストリア・Consensus Audio Engineering社のスピーカーだ。ラインナップはMagmaとLightning SEの2種だが、私が聴いたのはLightning SEの方である。

 Consensus Audioは、あのlumen white(ルーメンホワイト)など多くのハイエンドスピーカーを手がけたStefan Fekete氏が立ち上げた新興メーカーだ。いや正確には「lumen whiteを設計した」とはアナウンスされてないようなのだが、デザインがまるでクリソツなのでたぶんまちがいないだろう。

■アレサ・フランクリンの身長が高くなった?

 試聴環境は、アンプがJeff RowlandのCriterionModel 312 C、およびHEGELP4AH4Aの2セット。CDプレーヤーはMETRONOME TECHNOLOGIEのCD5 Signatureで聴いた。

 まず驚いたのは音場の広さである。幅や奥行きだけでなく高さもすごい。我が家で聴くDYNAUDIO CONFIDENCE C1とくらべ、いつものアレサ・フランクリンの口元がずいぶん上にある。

 一方、ジャズピアノのウォルター・ランゲ・トリオ「Smile」のイントロでは、ピアノを弾く右手と左手の位置関係がはっきりと識別できた。

 そしてハイライトはトヌー・ナイソー・トリオ「MILESTONES」だ。この曲はバンドの背後に陣取るドラマーが左から右へとシンバルを回す流麗なスティックさばきが聴き物なのだが、このスピーカーは流れるように動くドラマーの手先をまるでホログラムのように再現して見せた。

 スピーカーが鳴ってる感じがまったくせず、「この音はどこから聴こえてくるの?」的な状態なのもDYNAUDIOと同じだ。

 ただ個人的な好みでいえば、Lightning SEには気になる点がふたつあった。これらの短所は、おもしろいことに空間表現を得意とするFOSTEX・Gシリーズが抱える弱点とまったく同じだ。(ただし好みの問題なので、あくまで「私から見れば弱点」てことね)

 まず音色が寒色系で、高域がやや金属的な響きなのが少し気になる(FOSTEXと同じ)。また低域がこれまたFOSTEXと同様、スピードは速いがパンチ力や力強さとは対極にある音作りな点だ。(空間表現がうまいスピーカーの低音がなぜこんなふうに希薄になるのかについては、こちらの記事を参照のこと)

 この点では、手ごたえのある音の芯と存在感、インパクトの強さをもつDYNAUDIO CONFIDENCE C1の低音の方が明らかに上だった。

 とはいえLightning SEの音場感を頭に焼き付けたまま、すぐ別の店へ駆け込み(笑)C1を聴くと、音場の広さのちがい(特に高さ)がはっきり感じられた。C1が「チンケな坊や」に聴こえてしまうのだ。低音の質感や躍動感ではC1が一枚上だが、Lightning SEの音場の広さは圧倒的だ。

 たぶんこのスピーカーは私が聴いているような力感が求められるソースではなく、ふんわりと広がるようなクラシックあたりを再生させるとハマるのだろう。

 しかしまあ価格はC1の3倍なんだから、これくらいはやってくれなくちゃな。

 (と傷口をペロペロ舐めておこう)

tag : DYNAUDIOConsensusAudioVIVIDAudioK1B&WSignatureDiamondlumenwhiteJeffRowlandHEGELLightningSECD5Signature

プロフィール

Dyna-udia

Author:Dyna-udia
DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

SP:Dynaudio Confidence C1 platinum,
Pre AMP:Viola Cadenza,
Power AMP:Viola Symphony,
DAC:SOULNOTE dc1.0,
CDT:SOULNOTE sc1.0

最新記事
カテゴリ
DAC (4)
メールフォーム
※オーディオ購入の個別相談には応じかねます。ご了承下さい。

あなたの名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文:

全記事一覧・表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
※このブログの記事の中から検索します
月別アーカイブ
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード