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試聴にコツはあるか? ~音をどう 「整理する」 か?

 オーディオを試聴するとき、なんとなく聴いていると印象がぼんやりしたまま時間だけががたってしまう。そこで試聴では、ポイントごとに注意して聴くのがコツだ。

 たとえば以下にあげた各項目ごとに、まず1番から順に意識を集中して聴いてみよう。ちなみに1番なら、目の前にあるオーディオ機器は 「暖かみのある音か? それとも冷たい音か?」 のように二択で考えてみる。

 もちろんどちらでもないニュートラルな音はあるが、あえて二択で 「どちらかに整理して行く」 のが、音を具体的に聴き分けるコツだ。

【ポイント】

1.その音は暖かみがあるか? それともクールで涼やかな音か?

2.躍動感があり力強い音か、あるいは透明感のある繊細な音か?

3.低音の量が多く迫力のある音か? 低音が引き締まりキリッとした音か?

4.大らかでリラッスできて疲れない音か? 細かい音までクッキリわかるはっきりした音か?

5.艶やかで潤いのある音か? カラッと乾いたドライな音か?

6.太くて柔らかく丸みのある音か? シャープで細く輪郭がはっきりした硬い音か?

7.澄み切ったきれいな音か? 濁っていてワイルドでラフな音か? 
 (この場合の「濁っている」は、それが「味」になっているような音のこと)

8.音がストレートに前へ飛んでくるか? それとも音に広がりがあり周囲の空間全体が奥の方で鳴るような感じか?


 試聴でいろんな音を聴いていると、たとえば「4番の前者と6番の前者はたいていイコールの関係にある」などと目見当がついてくる。つまり音の傾向はある程度、公式化できる。機会があれば別の回にご紹介しよう。

テーマ : オーディオ機器
ジャンル : 音楽

パイオニア A-50、透明感と繊細さが漂うデジタルアンプ

パイオニア A-50

JBL 4319を鳴らす駆動力がすごい

 ハッキリした解像感があり、透明感と繊細さが漂うデジタルアンプだ。ハイスピードで歯切れがよく、デジアンらしい駆動力がある。30万クラスのJBL 4319と組み合わせたが、過不足なく鳴らしていた。こいつはすごい。

 音の温度感はニュートラルから、やや寒色寄り。カラッと乾いたドライな音で、高域にかすかに艶がある。こってり系か? あっさり系か? といえば典型的なあっさり味。太いか? 細いか? といえば細くタイトに絞れた音だ。

 またデジアンらしく、音のエッジ(輪郭)がクッキリしているのも特徴である。柔らかい音が好みの人には選外だが、硬質でカッチリ明確な音が好みなら候補に入れていいだろう。

分離がよく立体的な空間表現がうまい

 さて最大のハイライトは音場感である。このアンブは音の分離がいい。複数の楽器の音が混濁したり、固まったりしない。すなわち音に広がりがあり、立体的な空間表現がうまい。

 もうひとつ特筆すべきは、中高域を支配するみずみずしい鮮度感だ。そのため繊細で透明感のあるリッキー・リー・ジョーンズの「Traffic From Paradise」(1993)や、「Flying Cowboys」(1989)がため息が出るほどマッチした。このテの録音がよく静かなソースがぴったりだ。

 かと思えば同じシリーズの「A-10」など、下位機にはないエネルギー感もある。ゆえにリトルフィートやジェームス・ブラウン、スライ&ファミリーストーンなど、60年代~70年代のR&Bやアメリカンロックがバリバリ鳴った。繊細でソフトな音源から、ノリのいい激しいロックまで対応範囲は広い。ほとんどソースを選ばないといっていいだろう。

 もっとも音の好みは人それぞれだ。たとえば潤いのある音が好みの人には、このアンプのカラカラに乾いた音色は向かない。また厚みや密度感を求める人にも合わないはずだ。そういう好みの人がこのアンプを聴けば、「厚みがない」、「スカスカだ」と感じるだろう。鳴り方に(いい意味での)重さがないのも特徴で、よくいえばもっさり感のない軽快な音だ。

 ただし本機が好みにハマれば、かなりおトクな買い物だろう。相対評価するため冗談半分でラックスマンのL-505uXと聴きくらべたが、こと繊細さや空間表現に限ればA-50のほうが明らかに上回っていた。このコストパフォーマンスはおそろしい。

【関連記事】

『パイオニア A-10、中高域の涼やかさがトレードマークだ』

テーマ : オーディオ機器
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tag : パイオニア_A-50 JBL_4319 A-10

分析的な聴き方と、感情的な聴き方

 ある人は、「ドラムのハイハットが右スピーカーの約20センチ内側に定位している」 てなことを考えながら聴いたりする。

 またある人は何も考えず、感極まって泣きながらバラードを聴いたりする。

 別にどっちが 「正しい」 なんて話じゃない。音楽の楽しみ方は、人間の主観の数だけ存在するのだ。

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DALI ZENSOR7、軽快でタイトな低音が心地いい


DALI_ZENSOR7

雑なセッティングでもこもり感がなくキレよく鳴る

 スケール感があり、広がりのある鳴り方をする。トールボーイにしては低域がタイトで軽快だ。B&Wみたいに「ズゥーン」と重い鳴り方はしない。このへんはいかにもZENSOR1の上位機種らしい。ハイスピードで繊細なパイオニアのA-50がよくマッチした。

 個人的にトールボーイは低域が膨らむ経験が多いので敬遠しているのだが、本機は割にこもり感もなくスッキリしている。雑なセッティングでも低音がキレよく鳴る。トランジェントがいい。トールボーイなので音像のサイズや定位感はそれなりだが、その弱点を補うスケール感があるので釣り合いは取れている。

 中高域も下の方と同じくヌケがよく、分離感もまずまず。中音域が利いており、女性ヴォーカルやピアノ、アコギのみずみずしさがよく生きた。繊細で透明感のある音だ。

 反面、60年代のR&Bや70年代のロックなど力強いソースでは、エネルギー感もしっかり出る。硬から軟までオールマイティなスピーカーである。

 こってり味か? スッキリ味か? といえばスッキリ味。濃いか? うすいか? といえばうす味のサッパリ系だ。ソースを選ぶ気配はないが、ナチュラルでアコースティックな音源が特によかった。コストパフォーマンスも高く、実売10万円を切るおトクなスピーカーだ。

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tag : DALI_ZENSOR7

誰も店舗でオーディオを買わない時代

どの店も納品まで2カ月待ち、なのにネット通販だと翌日に納品される

 ある人が人気のスピーカー、DALI ZENSOR1を買いに新宿の量販店へ行った。するとどの店も納品まで2カ月待ち。なのに同じ量販店でも、ネット通販だと翌日納品可能だったという。

 つまりオーディオの流通構造が変わり、誰も店舗でオーディオを買わない時代がやってきたのだ。

 その昔、オーディオといえばまずショップへ行き、試聴して買うのがふつうだった。だがオーディオ不況で専門店の撤退や縮小統合が進み、リアル世界に売り場が少なくなった。それと入れ替わるようにネット通販が劇的に伸びた。その結果、みんながオーディオをネット通販で買う時代がやってきたのだ。

ネット通販で買い、「当たり」 を引くまでヤフオクで何度でも売る

 たとえば今の若い人のオーディオ購買スタイルはどうか? まずネットで検索し、いろんな人が書いたオーディオのレビューを読みまくる。あるいはネット上の掲示板で質問する。で、よさそうなオーディオ機器を絞り込み、試聴せずにネット通販でとにかくポチる(買う)。

 上の年代の人間から見れば、「音の好みは人によってまるで違う。なのに試聴せずに買うなんてクジ引きと同じだ。もしハズれたらどうするのか? お金がもったいないじゃないか」と思えるが……ちゃんと今では対策も用意されている。買ってみて実際に音を聴き、気に入らなければ、即、ネットオークションで売り払うのだ。

 ヤフオクなどでは、人気の機種なら 「新品同様」 とやればかなりの値段になる。機種によってはプレミアがつき、ほとんどメーカー希望小売価格同然で売れたりもする。で、「ネット通販で買う → ヤフオクで売る」 のサイクルを、気に入った機種が手に入るまで繰り返す。つまり機器を自宅試聴しているのと同じ。見事につりあいが取れている。

 いまやオーディオ専門店の中には、自社のネット通販体制を徹底的に強化し、生き残りを図る店もある。

「オーディオは試聴が基本」 の時代は、もはや終わったのかもしれない。

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パイオニア A-10、中高域の涼やかさがトレードマークだ

パイオニア A-10

すき通るような透明感と繊細さがみずみずしい

 ミニコンポに毛が生えたような価格帯だがバカにできない。中高域がスキッと涼やかで、繊細なリッキー・リー・ジョーンズがよく合った。音調は淡麗辛口、すき通るような透明感と繊細さがトレードマークだ。高域に特徴があり、ピアノやアコギがすがすがしい。女性ヴォーカルの通りもよく、特に透明感はこのクラスとしてはなかなかのものだ。

 組み合わせた機器は、スピーカーがパイオニアのS-A4SPT-PM、CDPは同PD-10だ。

 マッチしそうな音楽はクラシックのほか、アコースティック系の繊細な音源だろう。反対に躍動感や力強さをウリにするタイプではなく、泥臭くワイルドな70年代ロックなどのソースはイマイチだった。

 試しに同じ価格帯のDALI ZENSOR1+マランツ PM5004の組み合わせと聴きくらべたが、明らかにZENSOR1組の方がパンチがあった。まあこのあたりは 「どんな音楽を聴くのか?」 に合わせて選べばいいだろう。

 あえてマイナス面にもふれておこう。人によっては音がスッキリしすぎて感じられ、冷たくカチッとした中高域が 「人工的、無機的だ」 と感じるかもしれない。また重みのある鳴り方ではないから、(好みじゃない人には) 薄くて軽い音だ、と映るかも? このへんは好みの問題なので、試聴で確認してほしい。

 最後にひとつ気になったのは低域のゆるさだ。特にペースの音がぼんやり、まったりでシャキッとしない。低音の量自体はそう多くないが、かといって引き締まった音でなく緩慢に感じる。

 とはいえこの点は組み合わせたピュアモルトの特徴と一致するので、スピーカーのせいかもしれない。機会があれば、低域がもっとハイスピードでタイトなDALI ZENSOR1あたりで再試聴してみたい。

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tag : パイオニア_A-10 S-A4SPT-PM PD-10 A-10

CDプレーヤの読み取りぐあいが音質を悪くする?

 中古CDショップへ行くと、「【盤質B】 盤面にスレ、小傷はありますが音に影響ありません」 みたいな断り書きをよく見かける。

 でもよく考えたらあれって音飛びやノイズがないだけで、実は補正するためCDP内でサーボがかかりすぎたりデータが補間されて、そのぶん音質が悪くなっていたりするのかしらん? 

 とすれば嫌だなぁ。

【ご参考】

『CDプレーヤの読み込みの仕組み』

『CDPのサーボ電流が音質を悪くする?』

『CDPのサーボが「音を悪くする」のウソ』

『CDPのエラー訂正能力と音飛び』

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tag : 補正 サーボ 補間 誤り訂正 音飛び CDプレーヤ

音を変える最大の要因は何か?

 音を変える最大の要因は何か?

 それは、その日の気分だ。

 イライラしていると音はよくないし、気分が落ち込んでいれば音は躍動しない。それに比べたらスピーカーの違いなんて微々たるものだ。

 ゆえにオーディオの試聴に行くなら、気分のいい日を選ぶべし。体調がイマイチな日に試聴した結果なんて参考にならない。スポーツも同じだが、メンタル・コンディションがすべてを決めるのだ。

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「ひとクラス上を聴いてみるか」 にご用心

「試しにちょっと試聴してみるか」

 なんの気なしに、買い替えの候補よりひとクラス上の機器を聴いてみる。するとたちまち気に入り、候補だった機種が色あせて見える。気がつくと無理な予算の算段をしている自分がいる――この ひとクラス上を聴いてみるか? が決まって予算増のきっかけになる。

 その意味ではオーディオのグレードは実によくできている。まさに芸術的とすらいえる。リスナーを巧妙にからめ捕る蜘蛛の巣のようだ。ちょっとした出来心が発火点になり、もともとそんな気はなかったのに気がつくともう買っているのだから。

 不用意にひとクラス上と聴き比べないようにする。

 それがオーディオのコツのようである。

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ATC SCM40、猥雑で暴力的なエネルギーの塊

scm40.jpg

空間表現が巧みで音場感もよし

 猥雑で暴力的、ハッキリした解像感がありながらエネルギッシュに躍動する。空間表現が巧みで音場感もいい。壮大なスケール感がある。複数の魅力的な要素を兼ね備えたスピーカーである。

 音像のリアリティはDYNAUDIOに劣らず、しかもDYNAUDIOより線が太い。やっぱり自分の好みはDYNAUDIOかATCだな、との思いを強くした。組み合わせた機器はPASS INT-150、およびマッキンのプリC-50+パワーMC452。CDトランスポートはエソテリックのP-02、DACもエソのD-02だ。

 とにかくこの中域はすばらしい。ワイルドなギターサウンドががっつり鳴る。トリプルギターのレナード・スキナードを爆音で鳴らしたときには思わずひっくり返りそうになった。楽器でいえば、60年代初期のオールド・ストラトをTubeのマーシャルにぶち込んでかき鳴らしたような感じなのだ。

 ゆえにご推察の通り、ジェシ・エド・デイヴィスやドクター・ジョンなど70年代のスワンプ・ロックがバリバリ鳴る。もちろん70年代のリトルフィートやアレサ・フランクリンも抜群だ。明るくノリのいい昔のアメリカンロックやR&Bのおいしいところを引き出せる。ゴキゲンである。

 組み合わせたPASSのINT-150はゴリ押し一辺倒のアンプだろうと見くびっていたが、案外、立体的な空間表現がよくてびっくりした。もちろん駆動力も十分だ。エソテリックもこのクラスになると下位機のカリカリした嫌らしさがなく、すんなり聴ける。極上のスピーカーが仲立ちになり、組み合わせた機器のいいところが素直に出た感じだ。

 鳴らす空間が広くなければ、SCM40といわずSCM19でもATCのよさは堪能できる。やっぱり心中してもいいと思えるスピーカーはDYNAUDIOかATCで決まりだ。

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tag : ATC_SCM40 PASS_INT-150 C-50 MC452 P-02 D-02

プロフィール

Author:Dyna-udia
DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

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