「本当の音」が知りたい

ジョビンの『ブラジル』が再生できない

 オーディオを本格的に弄り始めてまだ間もない頃のことだ。

 アントニオ・カルロス・ジョビンの『ブラジル』を奏でるイントロのウッド・ベースの音があまりに太すぎ、我が家のシステムではブリブリに音が割れてしまう。再生するのが無理なのだ。

 で、CDを持参し「このベースの本当の音が知りたいんです」と某オーディオ専門店の◯◯さんに深刻な顔で訴えた。

 すると◯◯さんは一瞬なんとも微妙な顔をしたが、黙ってB&Wの巨大なヤツとマッキンのセパレートを用意してくれた。で、音を出し、「そのCDをこれで再生させるとこういう音です」という。

「なるほど、これが本当の音か」

 私は納得した。

 もちろん「本当の音」なんてものはこの世に存在しないことを初めて知ったのは、それから何年もあとのことだ。

 どうしてるかなあ、◯◯さん。

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ジャンル : 音楽

tag : B&W マッキン

スピーカーは消えるのが日常

 ある試聴レビューを読んだ。

 B&W 805D3を聴き、「スピーカーの存在が消えている! こんなのは初めての経験だ」と、800D3シリーズならではの現象であるかのように書いていた。

 DYNAUDIOなら10万クラスの製品でもスピーカーなんて消えるのにねぇ。

テーマ : オーディオ機器
ジャンル : 音楽

tag : B&W_805D3 800D3 DYNAUDIO

我が家のメインシステムがカーステに負けた

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ピーター・バーンスタイン『Heart's Content』(2002年録音)

耳をえぐる高域をうまく丸めるカーステ

 こないだジャズのCDを買ったのだが、なんとこの盤は我が家の高解像度メインシステムより、カミさんのクルマのカーステレオで再生させたほうが音がよくて笑ってしまった。

 その盤とは、現役ジャズギタリスト、ピーター・バーンスタインのアルバム『Heart's Content』(2002年録音)だ。録音エンジニアはオランダ人のMax Bolleman(1944年生まれ)である。

 さてメインシステムで聴くとよくわかるのだが、この盤は明らかに主役のギタリストを引き立てるためのミキシングが行われている。すなわちギターの弦をハジくピッキングが(過剰に)キリキリと生々しく録れている。つまり帯域バランスが高域寄りなのだ(ただし演奏自体は最高)。

 すると我が家の高解像度メインシステムで本盤を再生させるとどうなるか? ギターのピッキング音やピアノの高音、ドラムのシンバルがカリカリと鋭く耳をえぐってくる。高音にめっきり弱い私の耳では、痛くて聴いていられない(だがそのぶんギターのピッキング音は生々しい)。

 要するにギターを過剰にショーアップするミキシングがされているため、その原音を忠実に再現する我が家のメインシステムでは高音が痛くて耐えられないのだ。そのうえ盤の帯域バランスが高域寄りだから逆に低域が足りず、ウッドベースやドラムのバスドラの量感が不足しスカスカの音で鳴る。

 ところがこれをカーステで再生させたら、あら不思議。耳をえぐる高域は適度に抑えられ、低域はといえばウッドベースが十分な量感をもって心地よく聴こえる。つまりこのカーステはおそらく低音がズンドコ鳴るJ-POPやHip-Hopに最適化されているため低域が補強され、その量感が増した低域にキツい高域がうまく埋もれて帯域バランスが再調整されているのだ。

 まさかカミさんのカーステにこんなすばらしい補正機能(笑)があったとは。びっくり仰天である。と、そんな解説をクルマの中でエンエンとしていたら、J-POPが大好きなカミさんがひとこと。

「そんなの、好みでしょ?」

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高いオーディオを買うとメンタルにいい?

「奮発したぜー」てな開放感と達成感

 高価なオーディオを買うと、メンタルにいい。「奮発したぜー」てな開放感と達成感に包まれ、しかも自分の好きな音が手に入る。精神的に高揚し、仕事にも精が出るようになる。一石二鳥だ。

 するとある人がこう異論を唱えた。

 高い機器を買い、その音が気に入らないと「自分の感性がおかしいのではないか?」と落ち込んでメンタルに悪い、というのだ。

 人は人それぞれ。気の持ちようである。

 なるほど、おもしろい。

 ただ一方では、「大枚はたいたんだから金をムダにしたくない」てな心理が働き、脳に自己補正作用がかかって「音がよく聴こえる」ようにもなりそうだが……どうなんだろうか?

 音と脳をめぐる考察をしていると、キリがなくおもしろい。

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我が家のオーディオに買い替えの危機が

好みの音楽が変わればオーディオも替わる

 大変なことになった。

 私はこのところずっと、録音がよく高音質な最近のジャズばかり聴いていた。ところが今年のあるとき1940年代のジャズの影響を受けた盤を聴き、「いい」と感じた。すると脳が覚えているのか、それ以降、今ではすっかり聴き飽きていたはずの40〜50年代の往年のジャズを「いい」と思うようになってきた。

 試しにマイルス・デイビスの『Cookin'』(1956年)を棚から取り出してきて聴いてみると、「すごくいい」のである。いやはや、困った。

 私は今まで、例えば名匠マイケル・マルシアーノ(録音エンジニア)が作った、ニューヨークのSystems Two Recording Studiosで録音された超高音質な盤ばかり聴いていた。それらの盤のよさを目いっぱい引き出すため、高解像度ハイスピードなオーディオ・システムを組んでいた。

 だが今や、ヘタをすると「ノイズの良さが味に」なるマイルス・デイビスの『Cookin'』を聴いている。これじゃあ再生する機器はマッキンもしくはPASSと、ATCまたはJBLの組み合わせの一択になるじゃないか……。

 聴く音楽が変われば、それを再生するためのオーディオ・システムが替わるのは当然だ。なかには「クラシックさえ上手く再生できる機器なら、他の音楽はなんでも再生できるはずだ」などという、クラ原理主義の頑迷で頭の固いオーディオ・マニアもいるにはいるが、食材が変われば調理法が変わるのは当たり前だ。

 なにしろ録音のアラを暴き立てる我が家の超高解像度なシステムでマイルスの『Cookin'』を再生した日には、煙草のヤニの臭いがする「あの時代の濁った音」のよさがまったく出ないのだ(まあ思ったより悪くはないのだが)。

 さあ困った。なにしろウチのシステムは、ニューヨークのSystems Two Recording Studiosに最適化されている。というよりそれを計算してシステムを組んだ。

 となると、これは買い替えか……。

 我が家の音にはすっかり満足し、「もうオーディオは上がりだ」とばかり思っていたのだが……世の中、なにが起こるかわからないものだ。

 とりあえず、頭を冷やしてから考えよう。

 そうしよう。

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時代は回る糸車

アナログブームがやってきた

 なんでもカセットテープがブームらしい。

 家電量販店では60分テープが売り切れになり、プロのミュージッシャンがわざわざカセットテープで作品を発表しているという。で、さっきテレビを見ていると「ラジカセ収集家」なる人物が登場し、オーディオマニアなら絶対に口が裂けても言わないひとことを発した。

「ノイズが曲と合わさって、なんとも味があるんですよねぇ」

 わかってるなぁ、この人は。(詳しくはこの記事をご参照)

 いやそれはともかく。こないだもテレビで「最近、レコードプレーヤーが女性に売れている」ってネタをやってたし、そう考えるとアナログブームなのかもしれない。

 確かに一方、デジタルアンプはデジタルアンプでずいぶん進歩し、すっかりナチュラルで生っぽい音が出るようになってきているし、世は「アナログ的なるもの」へとなびく趨勢にあるのだろう。その背景にはストレス社会における癒しへの欲求があるのかもしれない。

 とすればオーディオ不況といえども、今後どんな思わぬアナログ機器が大ヒットし業界の牽引車になるともしれない。たかがオーディオ、されどオーディオ。音がもたらす幸福感に人が弱いのは、いつの世も変わらない。

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未知なる音を聴きに行きたい

ただ好奇心に駆り立てられて

 ずいぶんいろんなオーディオ機器を試聴してきた。

 あるときはタクシーに自分のスピーカーを積み込み、ショップ店頭のアンプと組み合わせて音を聴いた。またあるときはホテルを取って1泊2日で7軒を回った。

 いったい何がそんなに私を駆り立てるのか?

 それは未知に対する好奇心だ。そこに音を聴いたことがない機器がある。いったいどんな音なんだろう? どうしても聴きたい。正体を確かめたい。

 その機器は業界でどんな位置付けなのか、自分の耳でぜひ確認したい。どういう好みの人に支持される機器なのか、自分の耳でどうしても調べてみないと気が済まない。

 そんな犬も食わない道楽が高じ、結果としてこんなレビュー・ブログが出来上がった。

 私は自分の所有機器の写真を撮りまくり、それを公開して自己顕示欲を満たそうという欲望がまったくない。ああでもない、こうでもない、と所有機器をいじり回してはレポートを書くより、未知なる音を聴きに外へ出かけたい。

 私はどうやらふつうのオーディオ・マニアとはまるで生態がちがうようだ。いや、それ以前に私はたぶんオーディオ・マニアですらない。単なる音楽ファンだ。

 音に対する好奇心の塊の音楽ファンが自分の嗜好を満たしてみたら、こんなブログになった。

 単にそういうことなのである。

音質のよさは「絶対」か?

音質のよさは、音楽を楽しく聴かせてくれる。

だが音質はいいが音楽性に乏しい曲と、音質は悪いが音楽性豊かな曲とでは、後者のほうがはるかに楽しい。

結局のところ音質の良し悪しよりも、楽曲の優劣のほうが圧倒的に重要なのだ。

音像の彫りが深いかどうか?

 2本のスピーカーによって形成された音場を眺め渡すと、まるで彫刻作品のように音像があるべき位置に屹立している。

 それら音像の「彫りが深いかどうか?」が立体感や音場感を決める。

 音を聴くとき、私はまずそこを見る。

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オーディオって「出会い」だなぁ

 つくづくオーディオって「出会い」だなぁ、という体験をしたので、そんな記事を書こうと思いつきました。

 ひょっとしたら近日中に公開します。

 乞うご期待。

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DYNAUDIOというスピーカーに出会ったせいで、こんなブログをやってます。

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